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メニュー 第1章 ビタミンについての基礎知識 第2章 目と肌のビタミン、ビタミンA 第3章 お互いに協力し合って代謝に重要な働きをするビタミンB群 第4章 美容だけでなく、さまざまな働きで注目を集めるビタミンC 第5章 脂溶性という共通点はあっても、それぞれ独自の働きをするビタミンD・E・K 第6章 健康を保ち、不快な症状を解消するためのビタミン活用法 第7章 ビタミンをとるための2つの方法とビタミン剤の上手な利用法 第2章 目と肌のビタミンビタミンA ビタミンAといえば、子どものころよくとらされた肝油や、どうも好きになれなか ったニンジンなどを思い出すのでは? それに足りないととり目になることもよく知られています。ここでは、ビタミンA の全体像をしっかりつかんでください。  1.ビタミンAとは、レチノールのことです  2.目と肌、粘膜のビタミン.  -ビタミンAの働き-  3.ビタミンAを多く含む食品  4.ビタミンAが不足すると、こんな症状が出ます  5.ビタミンAは一日にどのくらいの量をとる必要があるのでしょうか?  6.ビタミンAは、とりすぎにも注意が必要です  7.ビタミンAをじょうずにとる調理のコツ  8.ビタミンAやβ-カロチンはガン予防に大きな働きをします 1.ビタミンAとは、レチノールのことです ビタミン学の引きがねともなった第1号のビタミンが、ビタミンAです。よく知られているように、極端に不足すると、 とりめ(=夜盲症)になることから発見されました。 ビタミンAは、天然には化学名でいうとレチノール、レチナール、レチノイ酸の3種類があります。レチノイ酸は、 多少、生理作用が違います。もっとも多く見られるのがレチノールで、ふつうビタミンAといったときには、このレチノールという 物質をさします。レチノールは動物性の食品にだけ含まれており、植物には含まれていません。 ところで、ビタミンAといった場合、よくカロチンという言葉を聞きます。実は、植物にもプロビタミンA(ビタミンAになる前の 物質)であるカロチノイドという色素がたくさん含まれています。そして、このカロチノイドの種類としてカロチンがあるのです。 カロチンにはα(アルファ)カロチン、β(ベータ)カロチン、γ(ガンマ)カロチンがあります。中でももっとも多いのが βカロチンで、これが今ガン予防の栄養素として注目を集めていることは、すでにご存じの人も多いでしょう。このβカロチンは、 レチノールが2分子結合したような形をしており、体の中で変化して、ビタミンAの効果を発揮します。 こう見てくると、私たちが食物からとる身近なビタミンAとしては、レチノールと、プロビタミンAとしてのβカロチン 2種類あるということになります。 2.目と肌、粘膜のビタミン  -ビタミンAの働き- ビタミンAは、人間の体を構成する細胞、特に上皮細胞と深い関わりを持っています。 体内は、消化器系の臓器を主として、多くの部分が上皮細胞のひとつである粘膜におおわれています。口の中や目も同様です。 粘膜は常に、分泌物でなめらかにうるおっていなければなりません。ビタミンAは、こうした粘膜の形成を促し、同時に 粘液の分泌を行って粘膜の働きを正常に保っているのです。粘膜だけではありません。やはり上皮細胞である皮膚の 新陳代謝を促し、肌荒れや老化を防いでいます。また細菌などに対する抵抗力を増して、病気にかかりにくくもします。 さらに、目の機能を保って視覚作用に重要な働きをしたり、骨の発育にも深く関係しています。 こうした働きのため、ビタミンAは、よく目と肌のビタミンとか、目と粘膜のビタミンなどと呼ばれてきました。 3.ビタミンAを多く含む食品 100gあたりの含有量を示しながら代表的な食品を紹介しましょう。使われている単位IUについては、こちらをご覧ください。 にんじん100gは、平均すると3分の1本ですが、これだけで4,100IUのビタミンAが含まれています。ほうれんそうには 同じく100g(約6株)あたり1,700IU。 しかしなんといってもレバーに多量に含まれています。牛のレバーには40,000IU、豚のレバーには43,000IU。 ほかにうなぎは100gで5,000IU、牛乳は同じく1,200IU、卵黄だと1,800IUというのが、代表的なビタミンA食品と いうところでしょうか。 なお、ビタミンAを、野菜などのカロチンだけでとるときは、レチノールの3倍の量をとる必要があります。カロチンの 腸からの吸収率が、レチノールの3分の1であるためです。 4.ビタミンAが不足すると、こんな症状が出ます ビタミンAが不足すると、さまざまな症状(欠乏症)があらわれてきます。 軽い欠乏症としては、次のような ものがあげられます。 ●暗順応失調を起こします かつては、夜盲症がビタミンA欠乏症の代表でした。しかし、今どき、夜盲症になるほどの重いビタミンA欠乏は、 めったにありません。ただ、不足気味だと、暗順応が落ちます(暗順応失調)。これは映画館など暗い場所に入ったとき、 目がなかな闇に慣れず、ものが見えにくい症状です。正常な人よりA欠乏の人のほうが、暗がりで視覚を取り戻すのに 時間がかかるのです。 そもそも、私たちが光の強弱を感じて視覚をのは、眼球の網膜の上にあって明暗の刺激を神経に伝える視紅(ロドプシンと いう視物質)の働きによるものです。このロドプシンの一部は、ビタミンAからできているため、Aが不足すると弱い光を 感じなくなり、そのため暗順応失調が起こるのです。 ●視覚機能が低下します 本などを読んでいて、いきなり遠くを見るとピントが合いにくい、などといった状態もビタミンA不足です。 ●皮膚がカサカサになります 皮膚が乾燥してカサカサになったり、白く粉をふいたようになったり、鳥肌が立ったように荒れたり、またニキビが 出たりします。ビタミンAが不足して、鼻やのど、気管の粘膜が弱くなり、抗菌力が落ちてカゼウイルスなどを素通し してしまうためです。 ●目がショボつきます 目がショボショボして、眼球が乾いた感じになることもあります。Aの不足で、眼球の粘膜の代謝が妨げられたため 起きます。 以上の他にも、次の症状もビタミンA不足が疑われます。 食欲がなく、胃がむかつき、なんとなく体がだるい 髪につやがなくなり、抜け毛が増え、白髪も多くなる 歯ぐきが弱り、歯がぐらついてくる 鼻の粘膜が乾いて、物の匂いなどが感じられなくなる 病的な欠乏症としては、いうでもなく夜盲症があげられますが、その他にも、成長停止、生殖不能、感染症に対する 抵抗力の低下、結膜炎、角膜炎、角膜軟化症、失明、皮膚・粘膜の角化などがあります。 5.ビタミAは一日にどのくらいの量をとる必要があるのでしょうか? ビタミンA不足にならないためには、1日にどのくらいの量のビタミンAをとらなければならないのでしょうか。 わが国の栄養所要量では、大人の男性で2000IU、同じく女性では1800IUとされています。以前は6000IU説を 唱える学者もいましたが、体内での蓄積による過剰症が心配されて、このような値になりました。 2000IU分のビタミンAをとるために、どれくらいの量の食品をとらなければならないのか? 卵ならば1個強、牛乳ならば180mlです。野菜などのカロチンでとる場合は、人間の腸のカロチンの吸収率は、 動物性のレチノールに比べ、3分の1しかないと言われているので、3倍の量が必要です。ほうれんそうだと350g、 にんじんだと1本半ということになります。やはり動物性のレチノールを中心に考えたほうが現実的になると思います。 ビタミンAについては、1日にこれだけの食品をとっていれば、まず欠乏症は起こしませんし、十分に健康を 保てるわけです。 6.ビタミンAは、とりすぎにも注意が必要です ビタミンAは、脂溶性のビタミンであるため、大量にとると過剰症をひきおこすことがあります。日本では一般に 、1日の摂取量の上限は6000IUとされています。アメリカのデータでは、1日に35000IUまでは心配なく、75000IUで 中毒症状が起こると報告されています。 ちなみに、急性の過剰症の場合は、胃や腸に変調をきたして下痢を起こします。また、1日に30万〜40万IUをとったり、 1日の必要量の50倍以上の量を何か月も続けてとったりしていると、頭痛や吐きけが起こり、肝臓がはれたりします。 さらに、1日50000〜70000IUを1カ月以上とり続けると慢性の過剰症として、手足の痛み、発疹、脱毛を起こします。 ただ、ふつうの食事を続けている分には、過剰症は、まず起こりません。問題となるとすれば、ビタミン剤の飲みすぎが 考えられます。 7.ビタミンAをじょうずにとる調理のコツ ここで、β−カロチンをはじめとするカロチノイド色素が、どのようにしてビタミンAになるかお話しておきましょう。 まず小腸で吸収されたのち、一部はカロチノイドのままで利用され、残る大部分は酸化されてレチノール、つまり ビタミンAに変わるのです。野菜に含まれているカロチノイドの60%が、ビタミンAに変わる可能性があるとされています。 ところで、レチノールはアルコールの一種で、小腸の脂肪吸収作用によって、そのまま吸収されます。一方、カロチノイドは、 油に溶けた状態のほうがずっと吸収がいのです。実験では、レチノールのほうは常に80〜90%の吸収率を示すのに 対し、β−カロチンはそのままだとわずか10%以下です。これが油に溶けると80%前後まで吸収率が上がります。 つまり、カロチノイド色素を多く含む緑黄色野菜については、油といっしょに調理するとビタミンAが体に吸収されやすく なるのです。ほうれん草やにんじんからビタミンAをとりたいときは、おひたしや煮物よりは、軽くいためたソテーや ドレッシングをかけたサラダにしたほうがいいわけです。 ビタミンAは、調理すると、平均して約10〜20%損失するといわれていますが、このような調理の工夫で、その損失を 補ったうえに、むだなく上手にAがとれるわけです。 なお、ビタミンAは酸化に弱いので、ミキサーを使うなどの空気と接触することの多い調理法は避けたいものです。 8.ビタミンAやβ-カロチンは、ガン予防に大きな働きをします ビタミンAは、ガンの予防効果があり、制ガン作用があるといわれています。 ビタミンAとガンとの関係ついては、すでに1926年(昭和元年)に内務省栄養研究所の藤巻良知氏が、ビタミンA欠乏の ラットに上皮細胞ガン、特に胃ガンが発生しやすいことを報告しています。その後、近年になって、内外を問わず、 ビタミンAにガン予防効果があることが、次々と報告されています。日本では、1984年の秋、日本癌学会総会で、 日本がんセンターが行った緑黄色野菜の摂取とガン死の間に高い相関関係があるという発表が、ガンとビタミンAとの 関係に注目を集めるきっかけとなりました。現在、実際に血液中のビタミンAの濃度と発ガン率との間に相関関係が あると報告されることもあります。最近では、プロビタミンAであるβ−カロチンにも、発ガンを抑える働きがあることが わかりました。 ビタミンAの抗ガン効果は、気管などの呼吸器、胃や腸、膀胱などの粘液の分泌を促すことで、細胞を発ガン物質から 保護することから生じます。事実、このような上皮粘膜でおおわれた場所のガン発生を抑える効果は、かなりはっきり 確かめられています。また、ビタミンAが不足すると、粘膜が乾き、やがて萎縮して脱落し、かわってかたく厚い細胞が 誕生し、これがガンに変化することがあります。ビタミンAが足りていれば、このような事態を引き起こすこともないわけです。

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